下記の記事でも述べたように、私の試算は無リスク資産と国内株式に大きく偏っており、その他への投資先を検討しています。
その一つとして、分配金利回りの高いREITやインフラ投資法人を検討しています。
個別株のようなキャピタルゲインはあまり狙えませんが、インカムゲイン狙いの投資として、資産の一部に割り当てるのが良いのではないかと考えています。
まず今回はREITについて比較しましたので、REITを検討中の方は是非見ていってください。
REITとは
皆さんご存じだとは思いますが、念のため説明しておくと、REITとは不動産投資信託のことで、Real Estate Investment Trust の略です。たくさんの投資家から資金を集めて「不動産」を購入し、そこから生じる賃料や売却益を投資家に分配する商品です。
(出典:SBI証券)
直接不動産を購入するとなると、最低でも自己資金で数百万円は必要ですが、REITを購入することにより数万から数十万円で不動産に間接的に投資することができます。
REITの投資対象
REITをその投資対象によって分類すると、以下の5つに分類できます。
・住居
・商業施設
・物流施設
・ホテル
REITによっては複数種類の投資対象を組み合わせている複合型(2種類)や総合型(3種類以上)もあります。
SBI証券で確認すると、現在60種類のREITが上場していました。(18/9/6現在)
(出典:SBI証券)
REITのメリット
私はREITには以下のメリットがあると考えています。
不動産に分散投資ができる
REITを通して広く不動産に分散投資できます。 上述のオフィスビル、住居、商業施設、物流施設、ホテルなどに個人で直接投資(所有)しようと思った場合、最低でも数百万円以上は必要になり、借入額も億を越えてきますし、複数に分散させようと思ったら更に多額の借り入れが必要です。また、投資のノウハウも一朝一夕には身に付くものではありません。
「サラリーマン大家」が流行し、ここ数年でかなり資産(戸建、アパートなど)を増加させた方も多いと聞きますが、最近のスルガ銀行やTATERUの問題があり、これから不動産投資を始めようという会社員に向けた融資が閉まってきており、会社員にとっては難しい環境だと思っています。
私も将来的には収益不動産を所有し、安定した家賃収入と法人化による節税によりセミリタイアしたいと考えていますが、今はその原資となる自己資金を株式やREITや投資信託で貯めたいと思っています。
そのような中、REITを保有することで手軽に不動産業界に分散投資することは非常にメリットがあることだと考えます。
少額から投資可能
SBI証券でRIET銘柄の一覧を確認すると、最も価格が低い銘柄は「インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人」で1口15,850円です。
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人はオフィスビル特化型で関東圏(東京、横浜)を中心に名古屋・大阪・福岡などに物件を保有しています。
個人ではオフィスビルを複数を所有するのは大変難しいですが、この銘柄であればわずか15,850円から投資が可能ですので、手軽に投資ができます。
手間がかからない
現物の不動産を管理するのは大変な手間がかかります。私は不動産を所有していませんが、不動産投資の書籍を勉強すると、ざっと以下のようなことをやらなければいけません。
物件取得まで
物件の検索(ネット、不動産会社経由)、物件の調査、家賃相場・収益性の調査、競合物件の調査、事業計画立案(収支シミュレーション)、買付申込、融資の申込、リフォームの段取、契約書の取交し・・・
物件取得後
入居者募集、建物管理(計画的な修繕)、家賃回収、トラブルの対応(家賃滞納、入居者間のトラブル、自然災害、自殺・孤独死)、確定申告書・決算書作成・・・
もちろん、不動産仲介会社、不動産管理会社、リフォーム会社、税理士などにアウトソーシングできる作業も多くあるため、信頼関係を築き、良いサイクルを回せればリターンも大きいと思います。
ただ、これらの手間を考えると、投資というよりは事業といった側面があるので、こういったことをやりたくないという人はREITの方が向いているのではないかと思います。
配当(分配金)利回りが高い
REITは国内株式や債券に比べて配当(分配金)利回りが高いです。
(出典:SBI証券)
これはREITが税制面で有利な為です。
一般的な株式会社の株主では、会社が法人税を払った後に配当を受けるのに対して、REITでは当期利益の90%超を投資家に分配することを条件に、税金が免除されることになっており、税金を引かれる前の利益を分配金として得ることができます。
そのため、インカムゲインを狙うのであれば、ぜひ自分のポートフォリオに入れておきたい資産ですね。
(出典:SBI証券)
REITのデメリットやリスク
当然REITにもデメリットやリスクはありますので、よく事前に理解しておかないといけません。
現物を保有できない
現物の不動産を所有するわけではないので、現物の不動産投資のメリットを享受できません。
私が考える不動産投資の最大のメリットは融資を利用したレバレッジをきかせられることです。銀行、物件、その人の属性などによって異なりますが、会社員であれば年収の何倍までといったように多額の融資を引くことができます。
これにより、資産の増加スピードは格段に速くなると思います。実際に3~5年で会社員を辞め、若くしてセミリタイア生活を送っている人は数多くいます。
また、法人化すると経費にできる項目が増えますので節税のメリットもあります。
REITではレバレッジや節税が利用できないので、不動産投資と比べた場合のデメリットだと考えます。
ただし、繰り返しですが、不動産投資は事業としての側面が強いので、このあたりは個人個人の考え方次第だと思います。
倒産、上場廃止、価格の下落、分配金利回りの低下
当然ですが、REITもその他の投資商品と同様のリスクが存在します。
不動産市況の悪化、金利の変動、自然災害などによる収益の悪化により、投資法人の倒産・上場廃止・価格の下落により損失を被ったり、分配金利回りの低下により当初想定していた収益を得られないといったことは十分に考えられます。
銘柄選定時に参考にする指標
銘柄選定時には以下の指標を参考にするのが良いと思います。
分配金利回り
1口当たりの予想分配金(年換算)を1口当たりの取引価格で割り算したものです。(あくまで予想分配金とその時の取引価格をもとに計算しているので、実際に分配金を受け取るときの利回りは変動します)
収益の計画を立てるのに、参考にすべき指標です。現在は3~7%程度の予想分配金利回りのREITが存在します。
当然利回りが高い方が投資としては魅力的ですが、利回りだけで判断せず、以下のNAV倍率やLTVも合わせて考えたいところです。
NAV倍率
NAV倍率のNAVとは、Net Asset Valueの頭文字をとったもので、NAV倍率とはREITの時価総額がそのREITの持つ純資産に対し何倍であるかを示しています。株式投資の際によく使うPBR(株価純資産倍率)のREIT版です。
計算は以下の式で行います。
NAV=資産-負債
NAV倍率=REITの価格÷1口当たりのNAV
PBRと同様、1以下で割安であると判断します。
LTV
LTVとは、Loan To Valueの頭文字をとったもので、有利子負債比率を表す指標です。
計算は以下の式で行います。
LTV=有利子負債÷総資産
LTVが高いということは有利子負債を多く抱えて投資を行っているということを意味します。
LTVが低いほど財務健全性が高く、銀行からより多くの融資を引き出しやすいことになります。逆に、LTVが高いほど倒産リスクが高く、銀行から新規の融資を受けにくいことになります。
一般に、LTVの上限を60%程度としているファンドが多いようですので、50%以下を健全性が高いとみて良いのではないでしょうか。このあたりは、明確な基準はないようですので、個人の判断によるかと思います。
銘柄選定
JAPAN-REIT.COM - 全ての投資家のための不動産投信情報(リートデータ)ポータル
というサイトが非常に参考になります。
SBI証券のREITのページは、「国内株式」→「REIT」と進めば確認できます。
以下の条件でスクリーニングすると、下表のように10銘柄程度まで絞ることができます。
配当利回り:5%以上
NAV倍率:1以下
LTV:50%以下
私はこの中から、決算月、資産運用カテゴリ、時価総額、出来高を比較し購入したいと考えています。
資金も限られていることから、最終的にはREITとインフラ投資法人を合わせて5銘柄を選定したいと考えています。
毎月分配金を得たいという方は、決算月を分散させるのもよいですね。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。